集客・営業

施工事例を写真だけで終わらせない運用|現場のメモから掲載確認・公開前点検までの5段階

施工後の写真はたまっている。でも、施工事例のページは半年前から増えていない。現場が終わるたびに「あとで載せよう」と思ったまま、何を書くか、お客様に確認したか、どの写真を使うかで止まってしまう。小さなリフォーム店や工事業者で、代表や現場担当が発信も兼ねていると、よくある状態だと思います。

この記事で扱うのは、文章の書き方そのものより、事例が1件公開されるまでの運用です。現場で残すメモ、写真の選び方、お客様との掲載確認、文章にする順番、公開前の点検。ここを決めておくと、次の1件を公開するために、どこで止まっているかを確認できます。写真1枚に添える説明文の書き方は、施工写真に変えた所と残した所を書き添える方法で別に扱っているので、この記事では前後の作業に絞ります。

私たちが施工事例に入れたいのは、「この会社に、何を相談できるのか」がわかる情報です。仕上がりの写真だけでは、自分の困りごとも相談してよいのかは判断しにくい。写真の外にある事情を、現場が終わった直後に残しておくことが、運用の出発点になります。

事例1件が公開されるまでの5つの段階

先に全体を見ておきます。順番は前後しても構いませんが、3の掲載確認を飛ばして5に進まないことだけは守ります。

段階

やること

誰が

いつ

1. 現場で残す

4項目のメモと写真を、決めた場所に置く

現場担当

完了日か、その翌日まで

2. 事例にする現場を選ぶ

今後も受けたい工事で、担当者が経緯を説明できる1件を選ぶ

代表か発信担当

月に1回

3. 掲載範囲を確かめる

お客様に、写真・文章・地域名・金額の掲載可否を確認する

お客様と接点のある担当

文章にする前

4. 文章にする

メモから、相談のきっかけ・範囲・対応と理由を数文に

発信担当

掲載確認の後

5. 公開前に点検する

事実との一致、写り込み、相談先への案内を確認して公開

現場担当と発信担当

公開の直前

担当の欄は例です。一人で全部を兼ねる会社なら、「いつ」の欄だけ決めておけば足ります。

1. 現場では、文章より先に4つのメモを残す

現場が終わってから毎回文章を書くのは手間です。数週間たって写真だけを見返しても、なぜその対応にしたのかを思い出せないこともあると思います。

そこで、最初から記事にしようとせず、担当者が答えられることを短く残します。私たちなら、まず次の4項目に絞ります。

残すこと

メモするときの問い

相談のきっかけ

どこに困っていて、何を変えたかったのか

今回の条件

使い続ける場所、日程、予算など、何を考慮したか

対応と理由

何を行い、なぜその方法を選んだのか

完了した範囲

どこを変え、どこを残したのか

長く書かなくて大丈夫です。事務所の床を張り替えた架空の例なら、「入口の床の傷み/入口〜受付のみ/現地で床材の色を確認/執務スペースは変更なし」で、文章を組み立てる材料になります。

写真のファイル名や保存先も一緒に残しておくと、別の人が更新するときに対応関係を確かめられます。メモと写真が別々の場所に散らばると、どの現場の話なのかを確認する仕事が増えてしまいますね。

なお、このメモは社内用です。予算や事情を記録したからといって、すべて公開するわけではありません。記事に使う情報は、お客様と確認した掲載範囲に合わせて選びます。

施工の相談、条件、対応理由、完了範囲を写真とともに残す運用のイメージ。実際の施工写真ではありません

挿絵は説明用のイメージです。実際の施工写真ではありません。

2. 事例にする現場は、写真の見栄えで選ばない

過去の事例を一度に直そうとすると、なかなか着手できません。今後も受けたい工事の中から、担当者が経緯を説明できる1件を選ぶところからで十分です。

選ぶ基準は、次の三つです。

  • これから問い合わせを増やしたい種類の工事か
  • 4項目のメモが残っているか、担当者が今でも経緯を説明できるか
  • お客様に掲載の確認を取れる関係か

仕上がりが立派でも、メモがなく担当者も経緯を覚えていない現場は、後回しにします。「きれいに仕上がりました」以上のことが書けないからです。逆に、小さな部分工事でも、相談のきっかけと範囲がはっきりしている現場は、事例として役に立ちます。

写真は、その現場で撮ったものだけを使います。写真が足りないからといって、別の現場の写真やAIでつくった完成図を、その施工の実績として混ぜないようにします。撮った写真の中から、変えた所が中心に写っている1〜3枚を選び、それぞれ何を写したものかをファイル名かメモに残します。

同じ現場の写真とメモを一つのフォルダーにまとめる立体イメージ

写真とメモをひとまとめにする、運用のイメージです。

3. 文章にする前に、お客様と掲載範囲を確かめる

文章を書いてから「載せてよいか」を聞くと、断られたときに作業が無駄になりますし、お客様にも書き直しを頼む形になります。先に、何をどこまで載せるかを確かめます。

確かめる項目は、次のくらいで足ります。

  • 写真を載せてよいか。載せてよい写真と、避けたい写真はあるか
  • 地域名を載せてよいか(市区町村名まで、町名まで、載せない)
  • 相談のきっかけや条件を、文章にしてよいか
  • 金額や工期を載せてよいか
  • お客様の言葉を載せる場合、その内容と表記

すべてに「はい」をもらう必要はありません。「写真と工事の範囲は載せてよいが、金額は載せない」でも、事例は成り立ちます。確認した内容は、メモと一緒に残しておきます。数か月後に別の人が更新するときに、何を確認済みかを見返せるからです。

お客様の言葉を事例に添えたい場合、聞き方は「満足です」で終わるときの最初の一問で扱っています。ここでは、聞けた言葉をそのまま載せる範囲で確認を取る、というところまでです。

4. 同じ工事でも、説明があると頼みどころが見える

ここからは、書き方を説明するための架空の例です。Polyzmやお客様の施工実績ではありません。

まず、工事名だけの紹介です。

事務所の床張り替え工事を行いました。きれいに仕上がりました。

この文章に、4項目のメモから、相談のきっかけと工事の範囲を足してみます。

事務所の入口付近で床材の傷みが目立つため、張り替えたいという相談でした。今回は入口から受付までを対象とし、執務スペースの床は既存のまま残しています。

既存部分との色の差を事前に確認できるよう、候補の床材を現地で並べて打ち合わせました。写真は張り替え後の入口付近です。事務所全体を改装した事例ではありません。

大きな成果をうたってはいません。それでも、「一部分の張り替え」「残す床との色合わせ」という具体的な仕事が見えてきます。メモの4項目が、そのまま段落の順番になっているのがわかると思います。

この例なら、見出しも「事務所の床張り替え」から「入口から受付までの床を張り替え|既存の床を残した事務所の部分改修」へ変えられます。地域名を載せられる場合は添えてもよいですが、細かな所在地まで出す必要はありません。

大事なのは、説明を立派にすることより、実際に確認した内容を書くことです。「お客様に大変喜んでいただきました」と足したくなっても、感想を聞いていなければ書けません。施工後に変わった箇所と、お客様が感じたことは分けて扱います。

金額や工期は、その現場の条件とセットで

施工事例に金額や工期があると、依頼を考える材料になります。ただ、数字だけが目立つと、別の現場にもそのまま当てはまるように読まれる可能性があります。

載せるなら、何を含んだ金額なのか、どこまでの期間なのかを添えたいところです。工事範囲、材料、処分費の扱い、施工日数と打ち合わせ期間の違いなど、その数字を読むために必要な条件を確認します。費用は税込・税別の区別も必要ですね。

正確な記録がなかったり、掲載できなかったりするなら、無理に数字をつくる必要はありません。代わりに「施工範囲や既存の床の状態を確認してから見積もりします」と、判断に必要な情報を書けます。ただし、これも自社で実際に行っている案内に合わせてください。

5. 公開前に、この6点を見る

文章ができたら、現場を知っている担当者と、文章を書いた人の二人で確かめます。一人で兼ねている場合は、一晩おいてから読み直すだけでも違います。

  1. 相談のきっかけ・範囲・対応が、メモと一致しているか。書いていないことを足していないか
  2. お客様と確認した掲載範囲(写真・地域名・金額・言葉)を超えていないか
  3. 写真に、表札、車のナンバー、室内の書類、人の顔などが写り込んでいないか
  4. 写真の説明が、変えた所と残した所を示しているか
  5. 金額・工期を載せた場合、条件が添えてあるか
  6. 似た相談をしたい人が、次に何をすればよいかが書いてあり、問い合わせ先へのリンクが近くにあるか

6点目の案内は、たとえば写真での相談を受け付けている会社なら、こう書けます。

同じような部分改修をご検討の方は、気になっている箇所の写真と、おおよその地域をお知らせください。現地確認が必要かどうかも含めて、担当者からご案内します。

これは案内文の例なので、対応できる連絡方法や地域に合わせて直してください。事例を読んだ人が、また会社概要から相談先を探し直すことにならないよう、問い合わせ先へのリンクも近くに置きます。

この運用で、間に合わないもの

メモを残す運用は、これから終わる現場には効きますが、過去の現場には遡れません。半年前の写真しかない事例は、担当者が覚えている範囲で「完了した範囲」だけを書き、相談のきっかけや理由は無理に埋めない。それでも二文の説明は書けます。

また、月に1件のペースは目安です。繁忙期に0件でも、メモと写真が決めた場所に残っていれば、落ち着いてから追いつけます。事例の本数より、1件ごとに確認済みの内容だけが載っている状態を優先します。

今日できる一歩

いちばん最近終わった現場を一つ思い出し、4項目のメモを埋めてみてください。埋まらない項目があれば、次の現場からその項目を完了日に残す。それが、この運用の始まりです。どの工事を事例として取り上げるか迷う場合は、過去の依頼から相談の入口を一つ決める方法も参考にしてみてください。幅広い実績の中から、今後増やしたい相談を選ぶための記事です。

Polyzmでは、ホームページを使った集客の仕組みづくりを支援しています。この記事の5段階とメモの型は、そのまま自社で使ってください。事例はあるけれど、誰がいつ何を確認するかを決めきれない、掲載範囲の確認をどう切り出すか迷う。そんな段階であれば、無料相談から、現在のサイトと増やしたい相談をお知らせください。いまの写真とメモの状態を伺い、最初の1件を公開するまでの流れを一緒に整理します。

コラム一覧へ戻る