問い合わせが来ないホームページの共通点|工事業者の支援現場で繰り返し見た5つの原因
「ホームページはあるのに、問い合わせがまったく来ない」。工事業者や建設系の会社を支援していると、この相談を本当によく受けます。
こういうとき、世間でよく言われる答えは「アクセスが足りないから、SEO(検索結果で上位に表示させる対策)や広告を」というものです。ただ、実際にサイトを拝見すると、順番が逆だと感じるケースがほとんどです。問題の本質は「見られていない」ことより、「見た人が頼めない」ことにある。サイトに来た人が「この会社なら頼んでいい」と思えない状態のまま、アクセスだけ増やしても問い合わせは増えません。
私たちはホームページを「作って終わりの制作物」ではなく、「問い合わせを生み出す仕組み」として見ています。仕組みとして見ると、直す場所の優先順位が変わります。支援の現場で繰り返し見てきた原因を5つ、直すべき順番に並べます。自社のサイトを開きながら読んでみてください。
原因1. 施工事例が「写真だけ」になっている
いちばん多いのがこれです。施工事例のページはある。でも載っているのはビフォーアフターの写真と工事名だけ、というパターンです。
なぜこうなるのか。事例ページを「作品集」として捉えているからだ、と私たちは見ています。作品集なら、きれいな写真を並べるのが正解です。でも発注を考えている人は、写真の出来栄えを審査しに来ているのではなく、「自分の悩みも、この会社なら解決してくれるのか」を確かめに来ています。
だから、事例ページで知りたいことは3つあります。どんな悩みの依頼だったのか。それに対してどう調査して、何を提案したのか。そして費用と期間はどれくらいだったのか。雨漏りに悩んでいる人は、雨漏りが直った事例を探して読みます。自分と同じ悩みが解決された記録こそが、いちばんの説得材料になるからです。
事例は作品集ではなく、「うちに頼むとこうなる」を疑似体験してもらうページ。これが私たちの考え方です。書き方は難しく考えなくて構いません。「他社の補修で直らなかった雨漏りのご相談。散水調査で原因の箇所を特定し、部分補修をご提案。工期と費用の目安も記載」。この程度の3行を写真に添えるだけで、事例ページの働きは見違えます。金額をそのまま出すことに抵抗があれば、幅を持たせた目安で十分です。
経緯を書くときのコツは、専門用語を並べるより、施主から聞いた言葉に近い表現を使うことです。「2階の天井にしみが出た」のような言葉は、同じ悩みを抱えて検索する人の言葉でもあります。
すべての事例を一度に直す必要はありません。まず、これから問い合わせを増やしたい工事の事例を3本選んで書き足す。ここから始めるのが現実的です。
原因2. 「誰のための会社か」が書かれていない
「地域密着で丁寧な施工を心がけています」。この一文だけでは、読んだ人は自分が客なのかどうか判断できません。
対応エリアはどこまでなのか。得意な工事は外壁塗装なのか、内装なのか。一部屋のクロス張り替えみたいな小さな依頼も受けてくれるのか。こうした情報がないサイトは、実は少なくありません。
現場でよく見るのは、「何でもやります」と書いた結果、何の会社かわからなくなっているサイトです。仕事を逃したくないから、間口は広く見せたい。その気持ちは自然です。ただ、検索する人の側は「外壁 ひび割れ 〇〇市」のように、具体的な悩みで探しています。「何でもやります」は、どの悩みに対しても答えになりきらない書き方です。仕事の幅を実際に狭める必要はなく、入口として「うちはこれが得意です」をはっきり見せるかどうかの話です。絞って見せたほうが、結果として問い合わせは増えやすいのではないか。現場を見てきた私たちは、そう考えています。
書く場所も大事です。会社概要ページの奥ではなく、トップページを開いて最初に目に入る位置に、「〇〇市とその周辺で、屋根と外壁の修理を専門にしています」といった一文を置きます。得意工事が複数あるなら全部を詰め込まず、いちばん問い合わせがほしいものを先頭にします。訪問者がサイトに残るかどうかは最初の数秒で決まります。その数秒のあいだに「自分向けの会社だ」と伝えるための一文です。
原因3. 問い合わせのハードルが高い
内容は良いのに、最後の問い合わせ手段でつまずいているサイトもよくあります。
電話番号しか載っていないと、日中は仕事をしている施主を逃します。かといってフォームがあっても、項目が多すぎて住所や建物の詳細まで必須になっていると、途中で嫌になって閉じられます。それから、「見積もりは無料なのか」「相談だけでもいいのか」が書かれていないのも、地味に効いてくるつまずきです。
フォームの項目が増えるのには理由があります。事前に詳しく聞けたほうが、会社側の段取りは楽になるからです。ただ、ここで判断の軸にすべきは会社の都合ではなく、施主の負担のほうだと私たちは考えています。まだ頼むと決めていない人に、建物の詳細まで書かせるのは負担が重すぎます。問い合わせは、名前と連絡先と相談内容の3項目あれば始められます。どうしても聞きたいことがあれば、「わかる範囲で」と添えた任意項目にするか、返信のやり取りで聞けば済む話です。
あわせて、「相談・概算見積もりは無料です」の一言と、返事までの目安を問い合わせボタンのそばに置く。これだけでも心理的なハードルはかなり下がります。なお、電話でしか連絡しない人もいるので、電話をなくす必要はありません。フォームと併記して、連絡手段の選択肢を増やすという考え方です。
仕上げに、自社のフォームをスマホから一度自分で送信してみてください。入力していて面倒だと感じた項目は、施主にとっても面倒です。
原因4. 更新が止まっている
最終更新が2年前のお知らせ。年号の古い料金表。それを見た訪問者が考えるのは、「この会社、いまもやっているのだろうか」です。
工事は高額で、失敗できない買い物です。だから発注前の人は、小さな不安材料にとても敏感です。裏を返せば、日付の新しい情報が1つ載っているだけで、それが安心材料になります。
更新が止まる事情も、現場で聞いているとだいたい共通しています。「ブログで役立つ記事を書かなければ」と身構えて、ネタが続かずに止まるパターンです。私たちは、更新の目的をまず「動いている会社だと伝えること」に置くべきだと考えています。役立つ記事を書くのはその先の話で、目的をここに置き直すと更新のハードルは一気に下がります。
月に1回、施工事例を1本足す。それが難しい月は、「〇〇市で屋根の修理を行いました」という数行のお知らせでも構いません。載せる場所はお知らせでもブログでも、施工事例の追加でも構いません。大事なのは、トップページから新しい日付が見えることです。更新はSEOのためというより、まず信頼のための活動です。
原因5. そもそもホームページが見られていない(検索・地図に出ない)
ここまでの4つが整って、はじめてアクセスの話になります。検索で出てこない、Googleマップに情報がない、という状態なら、打ち手の順番はこうです。
- Googleビジネスプロフィールの整備。Googleの検索結果や地図に会社情報を無料で載せられる仕組みで、地域ビジネスにはいちばん効きます。営業時間や写真、施工事例まで埋めるのがコツで、記入のポイントは別の記事にまとめています
- 「地域名+工事名」で見つかるページづくり。原因2で書いた対応エリアと得意工事の明記が、そのままここでも効いてきます
- それでも足りなければ、広告を検討する
広告を最後に置いているのには理由があります。お金を払って集めたアクセスほど、受け皿の欠陥がそのまま損失になるからです。多くの解説記事はアクセス対策を第一に挙げますが、それは「受け皿はできている」前提の話だと私たちは読んでいます。工事業者の支援現場では、その前提のほうが崩れていることが多い。受け皿が壊れたままアクセスを流し込んでも、水は漏れるだけです。私たちが現場で直す順番は、いつも1から5です。

まとめ. 直す順番は「中身、入口、それからアクセス」
問い合わせが来ない原因は、多くの場合アクセスの手前にあります。まず施工事例に経緯と費用の目安を足して、「頼むとこうなる」が伝わるページにする。あわせて対応エリアと得意工事をトップページで示し、フォームは3項目まで軽くする。そのうえで月1回の更新を続けて動いている会社だと見せられたら、ようやくGoogleビジネスプロフィールと検索対策の出番です。
ホームページの良し悪しは、デザインではなく問い合わせという成果で決まる。私たちはそう考えています。そう捉え直すと、大きな費用のかかるリニューアルや広告の前に、いまのサイトのままでできることがまだ残っているはずです。
Polyzmでは、工事業者をはじめとする中小企業のホームページ改善から、集客の仕組みづくりまでを支援しています。自社のサイトがどの原因に当てはまるのか知りたい方は、相談窓口からお気軽にご相談ください。現状のサイトを拝見して、直す順番を一緒に整理します。
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