小さな会社はSEO業者に頼む前に、この3つを自分でやるべき|外注より先に効く基本
「SEO対策、月々数万円でお任せください」。そんな営業電話を受けたことのある経営者は多いと思います。
SEOは、検索したときに自社のページを見つけてもらうための取り組みです。その土台になる自社の「客の言葉」が決まっていない段階で外注しても、お金は溶けます。業者が悪いという話ではありません。外注が効く状態に、まだなっていないのです。
この記事では、外注を考える前に自分でやってほしいことを3つだけ紹介します。よくある「SEO施策11選」のような網羅リストにはしません。中小企業が最初にやるべきことは、実際この3つで足りるからです。
なぜ「先に外注」だと失敗するのか
SEOの出発点は、検索する人の疑問に自社のページで答えることです。そして、何のキーワードで見つけてほしいかを決められるのは、業者ではなく自社だけです。
どの地域の、どんな悩みを持つ人に来てほしいのか。自社の強みは、客の言葉で言うと何なのか。これが決まっていないまま外注すると、業者としては一般的なキーワードで記事を量産するしかありません。アクセスは少し増えたのに問い合わせは増えない、という結果になりがちです。
ここで、私たちの判断軸をひとつ書いておきます。SEOの成果は、アクセス数ではなく、問い合わせと売上への貢献で測る。私たちはこの軸で見ています。「自社の言葉」を決めずに始める外注は、増やせるものがアクセスまでで止まりやすい。だから順番が大事なのです。
「素人が悩むより、プロに任せたほうが早い」という考え方もあると思います。ホームページ制作や広告運用なら、そのとおりです。ただ、どんな客に来てほしいかという核の部分だけは、どれほど優秀な業者にも代わりが務まりません。ここは外注できない、というのが私たちの結論です。
しかも、量産型の外注はいま、リスクの面でも分が悪くなっています。Googleは中身の薄いページの量産を、スパムとしてはっきり取り締まる方針です。ポリシーの名前も「大量生成コンテンツの不正使用」と、そのままです。評価の基準はAIで書いたかどうかではなく、読んだ人の役に立つか、書き手の実際の経験に基づく中身があるか。2026年5月のコアアップデートを含め、ここ数年のGoogleの変更はずっとこの方向です。だとすれば、自社の現場を知らない誰かが書いた「それらしい記事」は、これからますます効きにくくなるのではないか。これが私たちの見立てです。
逆に、これから紹介する3つを自分でやっておくと、仮に外注するとしても発注の質がまるで変わります。
その1. 「地域名+業種+悩み」で検索してみる
まず現状把握です。お金は一円もかかりません。
自社の客になったつもりで、実際に検索してみてください。「柏市 外壁塗装」のような地域名と業種の組み合わせ。あるいは「雨漏り 応急処置 業者」「請求書 手書き やめたい」のような悩みの言葉。思いつく組み合わせを10個ほど書き出し、自社が何ページ目に出てくるかをメモしていきます。
見るのは自社の順位だけではありません。1ページ目の顔ぶれが大事です。比較サイトやポータルサイトばかりが並んでいるなら、そのキーワードは個社のページでは上がりにくい土俵です。同業他社の自社サイトが出ているなら、ページを直せば入り込める余地があります。傾向として、「外壁塗装」のような大きな言葉ほどポータルが強く、「雨漏り 応急処置」のような具体的な悩みの言葉ほど、個社のページにも席が残っています。
なぜこれを最初に置くのか。現在地を知らないまま外注すると、業者の報告が妥当かどうかを自分で判断できないからです。この検索メモが手元にあれば、あとで「どう変わったか」を自分の目で検証できます。
そしておそらく、やってみると思っていたより自社は出てきません。自社サイトを見返すと、客が検索で打ち込む言葉がほとんど書かれていないことに気づくはずです。この気づきこそが、この作業のいちばんの収穫です。
その2. 1ページ1テーマ、客の悩みの言葉で書き直す
次に、いまあるページのタイトルと見出しを直します。新しいページを量産する必要はありません。
原則はひとつだけです。1つのページは1つの悩みに答える。そしてタイトルと見出しには、客が検索するときの言葉をそのまま使う。
たとえば「サービス紹介」というタイトルは「外壁塗装の費用と流れ|◯◯市の施工例つき」に。「当社の強み」は「他社に断られた雨漏り調査、うちが受けられる理由」に。社内の言葉ではなく、「いくらかかる」「どこに頼む」という客の言葉で書き直していきます。私たちはホームページを、会社案内の冊子ではなく、問い合わせを生み出す仕組みとして見ています。冊子なら表紙は社名でいい。でも仕組みなら、入口には客が探している言葉が書かれていなければなりません。
新しいページの追加ではなく「書き直し」から勧めるのにも、理由があります。新しく書く施策は、本業が忙しくなると止まります。いまあるページを直す施策なら、1枚ずつ進められて、成果の検証もしやすい。小さな会社の施策は、効果の大きさと同じくらい「続けられるか」で選ぶべきだと考えているからです。
一度に全ページをやろうとしないでください。その1の検索でわかった「惜しい場所」、つまり2〜3ページ目に出ているページや、問い合わせに直結しそうなページから1枚ずつで十分です。書き直すついでに、施工例や現場での判断のような、実際にやっている会社にしか書けない中身を一段落でも足せると、さらに効きます。Googleが評価すると明言しているのは、まさにこの「経験に基づく独自の情報」だからです。
これは検索エンジン向けのテクニックというより、ページを開いた人に「ここに答えがある」と伝えるための基本です。結果として検索にも強くなります。
その3. Googleビジネスプロフィールとサーチコンソールを設定する
最後に、Google公式の無料ツールを2つ設定します。
ひとつはGoogleビジネスプロフィール。Googleマップと検索に自社情報を表示するツールで、地域ビジネスなら通常のSEOより先に効果が出ることも多い、優先度の高い施策です。営業時間、写真、サービス内容まで、埋められる欄をすべて埋める。それだけで、登録しただけで放置している同業他社と差がつきます。
もうひとつはGoogleサーチコンソール。自社サイトがどんな検索語で表示され、クリックされているかがわかります。開くのは月に一度で構いません。「表示はされているのにクリックされていない言葉」が見つかったら、そのページのタイトルをその2の要領で直す。この繰り返しが、そのまま効果測定になり、次に直すページのヒントになります。
私たちがサーチコンソールを重視するのは、順位を眺めるためではありません。続けるほど、自社がどんな言葉で見つけられているかという記録が手元に貯まっていくからです。この蓄積は他社が真似できない自社だけの資産になりますし、いざ外注するときの発注の精度も大きく変わります。
設定はどちらも半日あれば終わります。あとは検索語のデータを見ながら月に1ページ直す、という習慣が続けば、小さな会社のSEOとしては十分に上出来です。

外注してよいのは、いつか
3つをやったうえで、こういう状態になったら外注を検討する価値があります。
- 狙いたいキーワードと来てほしい客像を、自分の言葉で説明できる
- サーチコンソールで現状の数字を把握している
- 競合の1ページ目に、自社では作れない量と質のコンテンツが並んでいる
この状態での外注は「丸投げ」ではなく「増援」です。成果の定義を自分が持っているので、業者の仕事も検証できます。反対に、営業電話に押されて「とりあえずお任せ」で始める外注はおすすめしません。何をもって成果とするかを自分が決めていない外注は、うまくいったかどうかの判断すらできないからです。
業者を選ぶ段階でも、見るところはシンプルです。記事を何本書くかという話より先に、「誰に、何と検索されたいか」を一緒に決めようとしてくれるか。順位やアクセスの報告で終わらず、問い合わせにつながったかまで一緒に見ようとしてくれるか。それから、「検索順位を保証します」という言葉が出たら慎重になってください。順位を決めるのはGoogleであって、外から保証できるものではないからです。
もうひとつ。「最新アルゴリズム対応」「AI時代のSEO」のような流行の言葉は、判断材料から外して構いません。こうした売り文句は毎年のように入れ替わります。変わらないのは、検索する人の悩みに自社のページで答える、という原則のほうです。流行を語る提案より、この原則を地道にやろうとする提案を選ぶ。私たちなら、そう判断します。
まとめ
やることは3つです。「地域名+業種+悩み」で検索して現在地を知る。1ページ1テーマ、客の悩みの言葉でタイトルと見出しを直す。Googleビジネスプロフィールとサーチコンソールを設定する。
ここまでは、お金をかけずに自社でできます。そしてこれをやった会社は、外注するにしても成果の出る発注ができるようになります。SEOに限らずWeb集客全体の順番から考えたい方は、中小企業のWeb集客入門も合わせてどうぞ。
Polyzmでは、どのキーワードで誰に見つけてもらうかというWeb戦略の設計から、中小企業の集客の仕組みづくりを支援しています。自分でやってみて、この先の設計を一緒に考えたいと思ったら、相談窓口からご相談ください。
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