集客・営業

中小企業のWeb集客は何から始める?自社の状況から最初の一手を選ぶ

「そろそろWeb集客に力を入れたい。でも、何から手をつければよいかわからない」。中小企業の経営者から、私たちがよくいただく相談です。営業や総務と兼務でホームページを見ている方にも、取り組む順番を考える材料になればと思います。

SEO、SNS、広告、ホームページのリニューアル。選択肢は多いのに、使える時間とお金には限りがあります。私たちは、手段を選ぶ前に、自社がいまどこで止まっているかを一行で書くことを勧めています。見つけてもらえていないのか。見られてはいるが、頼める内容が伝わっていないのか。相談は来るのに、その後の対応で止まっているのか。どれに当たるかで、最初に直す一か所が変わるからです。

紹介に、もう1本の仕事の入口を足したい

紹介やリピート、既存の取引先から仕事が来るのは強みです。ただ、新しいお客様と出会う機会まで、すべて相手側の事情に左右されると不安も残ります。紹介元の担当者が退職して案件が減る。主要取引先が発注方針を変える。良い商品やサービスがあっても、知ってもらう機会がない。こうした状況に備えて、自社から接点を作る方法を持っておきたいわけです。

私たちは、Web集客を「広告やSNSを頑張ること」より広く、「顧客との接点を自社の手でつくること」と考えています。紹介をやめるのではなく、もう1本の入口を足す取り組みです。

紹介された相手が、会う前に社名を検索することもあります。そのときに情報が出てこない、古い料金表しかないとなれば、相談をためらう理由になります。候補から外れた人は連絡してこないので、どのくらい起きているかまではわかりません。それでも、いまの仕事が伝わる情報は揃えておきたいところです。

いまの状態を、3つのどれかに置いてみる

手段の話に入る前に、直近の状況を思い出してみてください。厳密な数字がなくても構いません。

いまの状態

手がかり

先に直す場所

A. 見つけてもらえていない

ホームページの訪問がほとんどない。「地域名+業種」で検索しても自社が出てこない

Googleビジネスプロフィール。地域名と仕事内容が書かれたページ。必要なら少額の広告

B. 見られているが、頼める内容が伝わらない

訪問はあるのに問い合わせが少ない。紹介された人から「どこまで頼めるのか」と聞かれる

得意な仕事の一文、対応地域、施工事例の説明、問い合わせ欄の案内

C. 相談は来るが、その後で止まる

返信までに日数がかかる。誰が返すか決まっていない。見積もり後に連絡が途絶える

担当と次の連絡期限の決め方、最初の返信の型

Aなら、必要な説明を整えることとあわせて、見つけてもらう経路も確かめます。Bなら、人を集めても相談に進みにくい。Cなら、集客より先に受け皿の運用です。複数に当てはまる会社もあります。その場合は、CからB、Aの順に見ます。すでに来ている相談を生かすほうが、新しく集めるより早く手を打てるからです。

次の一行を手元のメモに書いておくと、あとで振り返るときの起点になります。

直近3か月:訪問数は(わかる/わからない)、問い合わせは( )件、うち返信までに2日以上かかったものが( )件。いちばん近い状態は(A/B/C)。

訪問数がわからなければ、Aとは決めずに「未確認」と残します。アクセス解析ではサイトへの訪問、GoogleサーチコンソールではGoogle検索の表示・クリックを確かめます。未設定なら計測の準備を進めながら、ページの説明やフォームの動作など、その場で確認できるところを見直します。「2日以上」は目安の例で、業種や相談内容によって置き換えてください。

Bに当たる場合の具体的な確認点は、ホームページから問い合わせが来ない原因の切り分けで扱っています。Cに当たる場合は、問い合わせ対応の担当・期限・引き継ぎの運用から見てみてください。

Web集客の5つの手段を、役割で見る

状態が見えたら、手段を選びます。それぞれが何を助けるのかを分けておくと、流行りの言葉に引っ張られにくくなります。

検索、SNS、広告、Googleビジネスプロフィールから、ホームページで仕事内容を確かめ問い合わせる関係を示す図

1. ホームページ(受け皿)

検索や広告などで自社を知った人が、仕事内容を確かめ、相談するための場所です。何をしている会社か、なぜ信頼できるか、どう問い合わせるか。この3つが伝わることを、見た目とあわせて確かめます。人を集めても、判断材料が足りなければ相談には進みにくいからです。状態Bの会社は、ここが最初の直し場所です。

2. SEO(検索エンジン対策)

「地域名+業種」、たとえば「横浜市 リフォーム」や、具体的な悩みで検索したときに、自社のサイトを見つけてもらうための取り組みです。効果の確認まで数か月かかることもあります。広告のように掲載費を払い続ける形ではありませんが、順位や問い合わせがそのまま続く保証はなく、内容の見直しも必要です。Googleの基本ガイドでも、反映にかかる時間や効果は一律ではないと説明されています。

3. SNS(信頼の蓄積)

InstagramやX、YouTubeなどでは、仕事の様子や、どんな人がいる会社かを伝えられます。ただ、フォロワーが増えたことと、受けたい仕事が増えたことは分けて見たいですね。私たちは、まず受け皿と検索まわりを整え、検討中のお客様に何を伝えたいかが見えてから始める順番を勧めています。

4. Web広告(即効性)

リスティング広告、つまり検索内容に応じて表示する広告などは、比較的早く見込み客との接点を作る方法です。ただし、費用をかければ受注できるわけではありません。案内先のページで仕事内容や相談方法が伝わるかを、先に確かめます。状態Aで、受け皿の準備ができている会社に向いた手段です。

5. Googleビジネスプロフィール・口コミ(地域密着型の要)

店舗や地域商圏のビジネスなら、Googleマップや検索に出る会社情報も見直したい場所です。無料で管理でき、営業時間、サービス内容、写真などを揃えられます。正確な情報は、検索する人にもGoogleにも仕事内容を伝える材料になります。ただ、入力だけで順位や成果が決まるわけではありません。Googleの公式説明では、関連性・距離・知名度が主な判断要素とされています。整え方はGoogleビジネスプロフィールの基本情報の記入例にまとめています。

複数の集客経路から相談窓口へつながることを表したイメージ

まずホームページで、3つが伝わるか

問い合わせを増やすには、訪れる人を増やす方法と、来た人が相談しやすくなる方法があります。集客の手段だけを増やしても、ページを読んだ人が迷ったままなら、その訪問を生かしきれません。

整えたいのは、次の3点です。

  1. 誰の、どんな悩みに応える会社なのかが10秒でわかる
  2. 実績、事例、お客様の声、代表の顔など、選ぶ理由を確かめられる
  3. 電話・フォーム・LINEなど、問い合わせ方法が迷わず見つかる

自社のトップページをスマートフォンで開いて、10秒ほど見てみてください。初めて見る人にも、この3点が拾えるか。10秒は確認するときの目安で、成果を保証する基準ではありません。

説明が足りないなら、広告を増やす前にそこを補います。豪華なデザインへ作り直さなくても、得意な仕事の一文や事例、問い合わせ案内を足すところから始められます。たとえば「水まわりのリフォームに対応しています」の横に、「洗面台の下の収納が使いづらい、といったご相談も受け付けています」と一文を足す。それだけでも、何を相談してよい会社かは伝わりやすくなります。

次に選ぶ手段は、お客様の探し方で変わる

受け皿が整ったら、自社の商圏とお客様の行動に合わせて、見つけてもらう方法を選びます。

  • 地域密着型の店舗・工事・士業などなら、Googleビジネスプロフィールと「地域名×業種」の検索対策から検討する
  • 商圏が広いBtoBなら、悩みを調べる人に向けた記事と、比較検討に使える事例を揃える
  • 急いで案件を増やしたいなら、案内先を整えたうえで、少額のリスティング広告を試す
  • 単価が高く、人柄も判断材料になる商売なら、SNSやYouTubeで仕事の考え方を伝える

これは選ぶための出発点です。迷うときは、直近のお客様がどうやって自社を知ったかを振り返ります。すでに1件でも仕事につながった経路は、同じようなお客様がいるかを調べる手がかりになります。ただ、その1件だけで再現できるとまでは言い切れません。

全部を同時に始めなくてもよいと思います。ひとつを3か月続けて数字を見ることを、最初の振り返りの目安にします。1か月では数字がぶれることもあり、半年間まったく見直さないのも遅い。その間に一度、状況を確かめる考え方です。SEOのように時間がかかる施策では、3か月だけで成否を決めず、表示やクリックの変化も見ます。

続けるときに、つまずきやすいこと

ひとつ目は、ホームページを「作って終わり」にすることです。公開後に仕事内容や料金が変わっても、情報がそのままでは相談する人が困ります。更新が止まっていることだけで検索順位が下がるとは言えませんが、古い情報を見て不安になる人はいるはずです。月1回を目安に、実績1件、お知らせ1本から更新する体制を考えてみてください。

ふたつ目は、流行りの手段から選んでしまうことです。「いまはInstagramらしい」「動画をやるべきらしい」と聞いても、自社のお客様がそこで依頼先を探しているかは別です。投稿する時間も、素材を集める時間もかかります。その時間を使う理由が、お客様の行動から説明できるかを先に確かめたいところです。

三つ目は、数字を見ずに続ける・やめるを決めることです。最初はアクセス数と問い合わせ数の2つを並べてみます。アクセスが増えても問い合わせが増えないなら、状態Bに戻って、来ている人と仕事内容が合っているか、ページに必要な説明があるかを確認する。アクセス自体が増えていなければ、状態Aとして見つけてもらう方法を見直します。この2つだけで原因を断定はできませんが、次に調べる場所は絞れます。

受け皿の整備、集め方の選択、数字を見た改善を繰り返す図

今日できる一歩

自社のトップページをスマートフォンで開き、先ほどの一行メモを埋めてみてください。訪問数がわからなければ「わからない」でよいので、計測の設定を最初の作業にします。Bなら、得意な仕事の一文を足す。Cなら、いま返信待ちになっている相談を一件確かめる。この進め方なら、限られた時間の中でも、何に手をかけるかを決めやすくなります。

Polyzmでは、中小企業・小規模事業者に向けて、Web戦略の設計から集客の仕組みづくりまでを支援しています。この記事の内容は、そのまま自社で使ってください。一行メモを書いてみて、A・B・Cのどれに当たるか迷う、直す順番を一緒に確かめたいという方は、無料相談からお声がけください。いまの集客状況と困っている点を伺い、最初に見直す箇所を一緒に整理します。

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