集客・営業

問い合わせを引き継ぐとき、何を残す?|相談・約束・担当・期限を一件分のメモに

チョクウケ集客ノート 第9話

小野陽菜(おの ひな):受付・発信担当。森川真紀(もりかわ まき):店長。高橋航平(たかはし こうへい):現場・営業担当。

「洗面台の収納だけ替えられますか」という相談に、現地確認の目的と準備物を案内した小野さん。翌日は休みです。お客様から日時の返事が届いたとき、店長が返信できるでしょうか。送信済みのメールを探せば経緯は読めますが、どこまで決まり、次に誰が何をするのかは、読み直す人が判断しなければなりません。

今回は、一件の相談について、相談内容・伝えたこと・次の担当と期限を短く残す話です。大きな管理表を作る前に、担当者が代わっても、お客様に同じ説明を求めずに済む一件分のメモを作ります。

前回の第8話では、訪問の目的、準備物、費用と所要時間、確認後の流れを案内しました。今回はその案内の後、まだ訪問が決まっていない時点から始めます。

※登場する店と相談は架空の教材です。費用や訪問の条件、対応期限は各社の実際の運用に合わせて決めてください。

「現地確認」とだけ書いても、引き継げない

2コマの漫画。森川店長が日程を問い、小野さんが返事待ちと答える。高橋さんは予定を確認して伝える。

小野さんが休む前、森川店長は予定表に「洗面台・現地確認」とあるのを見つけます。「日程は決まったの?」「お客様は何を用意することになっている?」。その二つが分からなければ、返事が届いても確定の案内は送れません。

高橋さんは、収納部分だけ交換できるかを確かめるため、洗面台の型と周囲の状態を見たいと話していました。ただし、訪問すること自体も、日時も、まだお客様の返事待ちです。提案したことと、決まったことを分ける必要があります。

「現地確認を案内済み」とだけ残すより、「お客様へ提案済み/日時候補の返事待ち」と書く。これだけで、次の担当が勝手に訪問を確定したつもりになるのを防げます。

一件分のメモに残す四つのこと

メモは長くなくて構いません。森川店長は、小野さんと次の四つを埋めます。

項目

この相談の記入例

相談と現在地

洗面台の収納部分だけ交換できるかの相談。可否は未判断。現地確認を提案し、日時候補の返事待ち

お客様に伝えたこと・約束

現地では洗面台の型と収納の周囲を確認する。説明書は「あれば」でよい。費用・所要時間・確認後の連絡方法は送信済みメールに記載。訪問日時は未確定

次にすること・担当

返事が届いたら森川店長が候補を確認し、訪問担当の高橋さんと日程をすり合わせてから確定の返事を送る

確認する期限・未確定事項

小野さんが不在の次営業日、森川店長が終業前に返信の有無を確認。交換の可否と見積もりは未確定

これはそのまま使うための記入例ではありません。自社で実際に案内した内容、誰が確認するか、いつ確認するかに置き換えてください。費用や所要時間をメモから省いたのは、架空の店で一律の数字を決めないためです。実務では、送信した案内の条件を次の担当がすぐ確かめられる場所に残します。

顧客の氏名、電話番号、住所などを、誰でも見られる共有メモや記事にコピーする必要はありません。社内で許可された顧客管理の場所にある記録へ、担当者が迷わずたどれるようにします。

期限は「お客様への約束」と「社内の確認」を分ける

この例で「次営業日の終業前」は、森川店長が返事の有無を確認する社内の期限です。お客様に「その日までに返事をします」と約束した時刻ではありません。二つを同じ欄に書くと、誰が何を守るのか分かりにくくなります。

お客様へ「木曜の午前中に確認結果を連絡します」と伝えたなら、時刻と担当をメモにも記します。一方、返事待ちで連絡の約束がまだないなら、社内でいつ確認するかだけを記します。約束していない連絡日を、後から作らないようにします。

日程候補が届いても、現場担当の予定を確かめる前に「確定しました」とは返せません。メモの次の行動は「候補を受け取る」ではなく、担当者の予定を確認してから確定の返事を送るまで書いておきます。

休む前に、一件だけ引き継いでみる

小野さんが返事後の対応を尋ね、森川店長が高橋さんの予定を確認してから返すと答える漫画。

小野さんはメモを見せ、森川店長に「今、お客様から日時の返事が来たら、何をしますか」と尋ねます。店長がメールを探し回らず、「高橋さんの予定を確かめてから返す」と説明できれば、引き継ぎの役目を果たしています。答えが詰まるなら、足りない情報を一行足します。

まずは進行中の相談を一件選び、現在地、伝えたこと、次の担当、確認する期限を書いてみてください。全部の案件を一度に整理しなくても構いません。お客様への約束と社内の作業を分けるところから始められます。

この連載では、一件の記録を使って対応を続けるところまでを扱います。問い合わせ全体の担当・期限・引き継ぎの運用は、問い合わせ対応の管理記事にまとめています。

Polyzmでは、問い合わせが届いた後の案内や社内の引き継ぎも、実際の仕事に合う形で整理しています。対応が人によって変わって困っている場合は、今の記録方法を持ってご相談ください。

コラム一覧へ戻る