集客・営業

小さな会社はSNSを始めるべき?集客の目的と続けられる体制で考える

同業の会社がSNSを始めている。自社も発信したほうがよさそうだけれど、何を投稿するのか、誰が続けるのかは決まっていない。集客を増やしたいのに、仕事だけ増えないか。小さな会社で集客を兼務している人なら、ここは気になるところだと思います。

私たちは、その段階で媒体を先に決めなくてもよいと考えています。SNSを始めるかどうかは、お客様が会社を知ってから、比べて、相談するまでのどこで情報が足りなくなっているかを見てから決める。そして始めると決めたら、続けるか休むかを判断する条件も一緒に置いておく。この記事では、その順番で考えます。

最近の問い合わせは、何を見て届いたのか

「認知を広げたい」だけでは、次にやることが決まりません。最近の問い合わせや商談から、会社を知ったきっかけと、相談前に確認された情報を拾ってみます。

紹介で知って、そのあとホームページを読んだのか。検索で見つけて、事例を探したのか。以前から投稿を見ていて、最後は電話で対応範囲を聞いたのか。最初に知った場所と、相談を決める前に使った場所は、同じとは限りません。

記録がなければ、次の問い合わせから聞く方法もあります。差し支えない範囲で「どちらで当社を知りましたか」「相談前に確認した情報はありましたか」と聞いて、覚えていなければ不明のまま残す。無理に一つの媒体へ割り当てると、あとで判断を誤るもとになります。

たとえば、紹介で知ったあとに施工事例を探した人がいたとします。その一件で「SNSは不要」とは言えません。ただ、事例の場所がわからず問い合わせをためらったなら、見つけやすくする余地はありそうです。少ない記録から全体を決めつけず、まず一つ直して確かめる。そのための仮説と考えればよいと思います。

知ってほしいのか、確かめてほしいのか

集客を考えるときは、お客様の行動を「知る・確かめる・相談する」に分けると、足りない情報を整理しやすくなります。実際には行き来もあるので、順番どおりに進むと決めつける必要はありません。

まだ会社を知られていないなら、見込み客との接点が必要です。名前は知っていて、得意分野や仕事の進め方を調べているなら、判断できる情報を届ける。相談したいのに連絡方法で迷っているなら、受付方法を整える。いま助けたいのは、どの場面でしょうか。

同じ写真を使うとしても、添える説明は変わります。初めて見る人には「何をしている会社か」。比較している人には「どんな条件で、何を工夫した仕事か」。相談につなげたいなら「同じ悩みがあるとき、何を伝えればよいか」まであると、次の行動が見えます。

SNSを使うかどうかは、届けたい相手と、助けたい行動が決まってから考えます。 写真や短い発信で仕事内容を知ってもらいたいのか、既存のお客様との接点を保ちたいのか。役割があれば、その投稿をする理由も判断しやすくなります。

会社を知る、情報を確かめる、相談するという三つの場面を表した模型

始める・まだ始めない・先に直す、の判断表

工事会社を想定すると、たとえば次のように整理できます。架空の例なので、全ての会社に同じ優先順位を当てはめるものではありません。実際の問い合わせと、運用できる体制に合わせて見てください。

確かめたい状況

判断

先に試すこと

見る変化

仕事内容を知る接点が少なく、見込み客がSNSを使っている

始める候補

相談されたい工事の内容と対応地域を投稿する

対象の仕事に関する反応や、案内先への訪問

紹介後に事例や対応範囲を繰り返し質問される

まだ始めない

案内するページに事例と対応範囲をまとめる

同じ確認質問の内容や頻度

相談したい人が何を送るか迷っている

まだ始めない

受付先と最初に伝える項目を案内する

受付時のやり取りや、必要情報の不足

素材を集める人、確認する人、返信する人が決まらない

体制ができるまで待つ

普段の接客から投稿の候補を10件書き出す

候補が実際に集まるか、誰が担えるか

一つ目でSNSを選ぶなら、見込み客がその媒体を使っているか、仕事の情報を受け取る場として接点を持てそうかを確かめたいところです。利用者が多いことだけでは、自社のお客様に届く根拠としては足りません。

二つ目や三つ目に当てはまるなら、案内先や受付方法を直すほうが先です。新しい投稿を増やさなくても、すでに関心を持っている人が必要な情報へ進めるかは試せます。何をどう直すかは、ホームページから問い合わせが来ない原因の切り分けで確かめられます。

SNSかホームページか、どちらか一方に決め続ける必要もありません。いま見えている不足を一つ直して、結果を見て次を選ぶ。その繰り返しで十分です。

担当を決めても、素材が集まらないと続かない

SNSを試すと決めたら、投稿する人に加えて、素材の集め方まで考えておきます。担当者が毎回、現場の情報を探し回る形だと、それだけでも負担になります。

お客様からよく聞かれる質問、作業で確認するポイント、使い方の説明。まずは、普段の接客や商談で話していることから候補を出せます。毎回新しい話題を作ろうとするより、自社の仕事とつながった内容を集めやすいと思います。最近受けた相談を一件思い出し、どこで困っていた人だったかをメモするところから始めると、投稿の相手も具体的になります。

中小機構のJ-Net21も、SNSを継続的に活用するためのポイントとして、接客を投稿内容のヒントにすることや、担当者だけに任せず運用に関わることを示しています。投稿担当を置けば終わり、という話ではないわけです。

工事会社なら、現場の担当が掲載できる写真と「何をした仕事か」を残し、発信担当が文章にして、内容がわかる人が確認する。たとえば、そんな流れが考えられます。少人数なら一人が兼ねても構いません。ただ、兼ねたからといって、素材を用意する作業がなくなるわけではありません。

写真やお客様の情報を掲載してよいか確認する人と、コメントや問い合わせを見る人も決めておきます。投稿はできても届いた相談に対応できない、という状態は避けたいですね。

素材集め、内容確認、投稿と返信の役割を分けて考える作業机のイメージ

続けられる時間を決めてから、試してみる

最初から高い投稿頻度を目指すより、通常業務の中でどこまでできるかを決めます。一つの媒体で、素材集め、確認、投稿、返信までに使える時間を置く。投稿文を書く時間だけで計算すると、実際の負担が見えません。

最初の計画は、一枚のメモで十分だと思います。次の五つに空欄があるなら、開設を急ぐより、まずそこを埋めたいところです。

誰に届けたいか:(例)住みながらの改修を考えている人
何を伝えるか:(例)工事中の生活に関する説明
どこへ案内するか:(例)対応範囲と相談方法のページ
誰が素材・確認・返信を担うか:(例)現場担当が写真、受付担当が文章と返信、店長が確認
いつ何を見直すか:(例)3か月後に、対象の相談につながったか、予定した時間で運用できたかを見る

括弧内は架空の記入例です。成果が出ると保証する例ではなく、目的と、あとで確かめることをそろえるための型として使ってください。

続けるか、休むかを決める条件

閲覧数や反応も、どう届いたかを知る材料にはなります。ただ、数字が伸びても、受けたい仕事と関係の薄い反応ばかりなら、内容や届ける相手を見直す余地があります。問い合わせがまだ少ない段階で、短期間の結果だけを見て効果の有無を決めるのも難しいです。運用にかかった手間と、得られた反応は分けて残しておきます。

見直しの時点で、たとえば次のように判断できます。

  • 予定した時間で運用でき、対象の相談や質問が届いた:届けたい相手に届いた手がかりとして残し、投稿との関係や他の反応も見ながら継続を検討する
  • 予定した時間で運用できたが、反応が受けたい仕事と合わない:届ける相手か、案内先のページを見直す
  • 素材が集まらず、投稿が途切れがち:頻度を下げるか、素材の集め方を先に直す
  • 返信や確認まで手が回らず、通常業務に影響が出ている:いったん休み、体制ができてから再開する

続ける、内容を変える、頻度を下げる、いったん休む。目的と体制に合うなら、どれも選んでよいと思います。休むことを失敗と考える必要はありません。案内先のページが整っていれば、投稿が止まっても、紹介や検索で来た人への説明は残ります。

今日できる一歩

まずは最近の問い合わせを一件見直して、お客様がどこで迷っていたかを探してみてください。そのうえで、先ほどの五つの空欄を埋めてみる。埋まらない欄があるなら、そこが開設より先にやることです。

Polyzmは、中小企業の集客の仕組みづくりを支援しています。SNSを始めるかどうかも含め、自社が先に取り組むことを整理したい方は、無料相談からお声がけください。最近の問い合わせの経路と、いま迷っている点を伺い、最初に直す一か所を一緒に整理します。

コラム一覧へ戻る