デジタル活用

AI画像を3回作り直して気づいたこと|失敗の記録と検収の考え方

AIで仕事を減らすつもりが、出てきたものの修正に追われる。何度頼み直せば終わるのか、わからない。AIに資料や画像を作らせ始めたばかりの会社なら、一度は通る場面だと思います。私たちのコラム制作でも、画像で同じことが起きました。

2026年8月に、画像の作り方を3段階にわたって見直しています。画面のレイアウトを画像にする方式、写実寄りの生成画像、フラットなイラスト。変えるたびに、別の理由で使えなくなりました。その経緯は、日付つきの社内記録に残っています。

ここでいう「3回」は、作り方を見直した3段階のことです。生成した画像の総数でも、全記事の修正回数でもありません。

失敗のあとに、次の仕事で使える検収の基準を残せるか。 私たちは、そこまで含めてAI活用だと考えています。この記事では、3つの失敗で何を見落としていたのか、記録に残した確認項目と、今回の振り返りから提案するやり直しを止める条件を、自社でも使える形で書きます。ただ、一度決めた基準も固定はできませんでした。8月の判断を、9月にはまた変えています。

1回目は、形式が合っていても「なんか不自然」

最初は、HTMLというページを組み立てる記述でレイアウトを作り、その画面を撮影して画像にしていました。8月7日の記録に残る指摘は、「なんか不自然」です。

サイズは合っているし、文字も読める。それでも、記事に置きたい画像にはなっていませんでした。画像ファイルを作れたことと、記事の内容や読者の感覚に合っていることは別だったわけです。

この指摘を受けて画像制作をCodexへ移し、実務の場面を描くイラストと、正確な日本語の配置を組み合わせる方式に変えました。当時の記録にも、記号だけを組み合わせた抽象的な画像を見直す方針が残っています。

ただ、担当と作り方を変えれば解決、とはいきませんでした。次に見つかったのは、ファイルの形式を検査してもわからない問題です。

今回の振り返りで整理すると、形式がそろうことと、内容に合うことを分けて確認する必要があると思います。寸法、枚数、ファイル名を確かめるだけで、「この記事に置いて違和感がないか」まで判断できるわけではありません。社内の資料でも、指定のページ数がそろっていることと、読み手が判断できることは違います。「頼んだ形になったか」だけでなく、「使う人は、これを見て何を確かめられるか」。画像の失敗から、私たちはそこまで見たいと考えるようになりました。

2回目は、パソコンの画面が人物と反対を向いていた

写実寄りの生成画像に変えたあと、問い合わせについての記事で、画面が人物と反対を向いていることがわかりました。同じ8月7日の記録に、具体的な指摘があります。

絵としては整っていても、そこにいる人が画面を見られない。これは不自然です。AIによる検収でも見落としていました。

そこで、文字やブランド色とは別に、物の関係を見る項目を加えました。できあがってから見るだけでなく、発注するときにも確かめる項目です。

  • 画面や書類の向きが、それを使う人物と合っているか
  • 手と物の持ち方に無理がないか
  • 反射・透過の状況に合った文字の向きになっているか
  • 光と影の向きがそろっているか

人物とパソコンを描くなら、肩越しの角度は位置関係を確認しやすい構図です。とはいえ、どの記事も肩越しにすれば、同じ画像が並びます。自然に見えることに加えて、記事ごとの違いも必要でした。

項目を作ったから、もう見落とさないとは言えません。変えたのは、「目視確認済み」の一言で終えず、何を見たかを分けて残すことです。同じ問題が起きたときに、項目が足りなかったのか、見方が浅かったのかを振り返れるようにしました。

画面を使う人との向きや物の位置関係まで確かめる、画像検収のイメージ

3回目は、破綻の少ない絵でも記事に合わなかった

次はフラットなイラストに切り替えました。ところが8月13日には、記事の内容と微妙に合っていない、AIで作った挿絵に見える、という指摘が残っています。

記録で問題になっているのは、歯車、吹き出し、虫眼鏡といった汎用的なモチーフです。仕組みの話だから歯車、分析だから虫眼鏡。それだけでは、その記事で何を伝えたいかまでは表せませんでした。

こうしたモチーフが常に悪い、という話ではありません。私たちの記事では、作風を変えても内容とのずれが残った。そこで一度、サムネイルからイラストとアイコンを外し、タイトルを中心にした仕様へ切り替えました。記録では7枚を再制作しています。

「画像生成には向いていない」と結論づけたわけではなく、当時の問題に対して、絵で説明する範囲を狭めた判断です。指示を長くするばかりでなく、そもそも何を作らせるかに戻る。その選択肢を持てたことは、私たちにとって収穫でした。

今後の検収で使う問いとして、「この絵は、この記事の何を伝えているか」を置く方法も考えられます。他の記事に置いても違和感がない画像は、内容に合っていない可能性があります。

文字だけにした仕様も、9月に変えた

8月に決めた仕様も、そのまま現在の正解にはできませんでした。9月11日には、フラットデザインをやめ、記事ごとにサムネイルのテイストを変える方針へ更新しています。

2026年9月11日の見直しでは、記事の主張に合わせて写真風や立体表現などを選び、画像生成と日本語・数値の配置を分ける方針にしました。これは当時の制作方法の記録です。その後は漫画やキャラクターを使う構成も採用しており、現在の全記事を同じ工程で作っているわけではありません。

さらに、当時の記事には本文の挿絵がなく、文字が続いて読みづらいという指摘がありました。そこで、比較図と、部分修正を表す模型の挿絵を追加しています。文章で説明できることを、画像を省く理由にしすぎていたのだと思います。

いまは説明に必要かだけでなく、読む途中の区切りになるかも考えています。枚数を毎回そろえるのではなく、文章量と内容に合わせて配置する。このコラムの挿絵も、そう考えて選びました。

残したいのは、文字だけの仕様でも、特定の画風でもありません。何が読みづらかったのかを確かめて、仕様を更新できることです。実際の見え方は、ホームページを作り直すか部分修正で済ませるかの判断でもご覧いただけます。

やり直す前に、3行の記録を残す

指摘を受けたら、「何を言われたか」「どう直したか」「次から何を変えるか」を残します。私たちのフィードバックログも、この3点で記録しています。

パソコンの向きなら、指摘は「画面が人物と反対を向いている」。今回は構図を修正し、次からは画面と使用者の位置関係を、発注と検収の両方で見る。ここまで書けば、次の作業に使えます。「もっと自然にする」だけでは、何を見るかが決まりません。

別の仕事でも使うなら、記録の型は次のようになります。

記録すること

書く内容

何を言われたか

問題がある場所と、具体的な指摘

どう直したか

今回変えた箇所と、確認した結果

次から何を変えるか

次回の依頼・作業・確認へ足す基準

ただ、記録は増やすだけでは役立ちません。いまの仕様を正本にまとめ、次の仕事に関係する指摘を参照します。古い判断まで全て現行ルールとして持ち込まないようにしています。

画像の再発注は通常2回までで、それを超える場合は人が確認する運用です。これは私たちの制作上の目安で、どの業務も2回が最適という意味ではありません。同じ問題が続くなら、依頼や仕様に戻る。文字だけの修正なら、絵まで生成し直す必要があるかを確かめます。

指摘、今回の修正、次回の基準を分けて残す記録の型

自社の検収に置き換えるなら

自社で試すなら、手戻りが続いている仕事を1つ選んでみてください。資料でも文章でも画像でも構いません。次の依頼を出す前に、誰ができあがりを確認し、何を見て、どこまで直すかを書いておきます。

社内向けの案内文なら、たとえばこう分けられます。架空の例です。

仕事:社内向けの制度変更のお知らせ文
形式の確認(誰でも):日時・対象者・問い合わせ先が原資料と一致しているか
内容の確認(担当者):読み手が、自分は対象か、何をすればよいかを迷わず判断できるか
やり直しの上限:同じ指摘が2回続いたら、依頼文に戻って材料を足す
止める条件:3回目でも直らなければ、AIの下書きをやめて人が書く

数字は例です。仕事に合わせて決めるのは、形式と内容の確認を誰が担うか、何回で依頼に戻るか、どこで人に切り替えるか、の3つです。

記録があっても、効果は別に確かめる

続けるかどうかは、作成だけでなく、確認と修正にかかった時間まで見て判断したいですね。今回の私たちの記録だけでは、AIで時間や費用がどれだけ減ったかは算出できません。ルールができたことと、効率化の効果を確認できたことは分けて考えています。

記録しても手戻りが減らず、使える成果物も残らないなら、任せる範囲を狭める判断も必要です。続けること自体が目的ではありません。

今日できる一歩

いちばん最近やり直しになった成果物を一つ思い出し、3行の記録を書いてみてください。「次から何を変えるか」が書けなければ、指摘がまだ具体的になっていないということです。そこを次の依頼の前に埋めます。まだ最初の仕事を選ぶ段階なら、中小企業のAI活用は何から始めるかも参考にしてください。

Polyzmは、自社の試行錯誤も踏まえ、業務を楽にする支援の中で、AIに任せる範囲と確認の進め方を一緒に整理しています。この記事の確認項目と記録の型は、そのまま自社で使ってください。手戻りが続いている仕事について、検収の分担や止める条件をどう決めるか迷う方は、無料相談からお声がけください。やり直しが続いている成果物と、いまの確認の流れを伺い、先に決める項目を一緒に整理します。

コラム一覧へ戻る