集客・営業

投稿する前に、最近の相談を一件思い出す|誰に届けたいかが見えてくる

チョクウケ集客ノート 第1話

小野陽菜(おの ひな):受付・発信担当の若手。森川真紀(もりかわ まき):店長で二人の上司。高橋航平(たかはし こうへい):現場・営業担当で陽菜の先輩。

「お店のSNSを更新しよう」と画面を開いたものの、何を書くかで止まってしまう。小さなリフォーム店で、普段の仕事と発信を兼ねていると、投稿の材料を探すだけでもひと仕事です。

そんなときは、最近受けた相談を一件、振り返ってみるとよさそうです。お客様がどこで困り、何を聞きたくて連絡したのか。そこまで思い出せると、次の案内を誰に届けたいかが具体的になります。

※漫画の店舗・人物・相談内容は、説明のための架空の設定です。実際の顧客事例や成果を示すものではありません。

投稿画面の前で迷う小野さんと、施工写真の使い方を一緒に考える高橋さん

施工写真を選ぶ前に、相談の始まりをたどる

きれいに仕上がった写真はあっても、「施工しました」以外に何を書けばいいか迷うことがあります。完成した状態だけを見ていると、工事前にどんな不便があったかを思い出しにくいからです。

そこで今回は、施工の大きさや写真の見栄えで選ばず、相談した理由を確認できる一件を選びます。電話メモ、問い合わせメール、担当者の記録などが残っているものなら、話をたどりやすいですね。

架空のお店の3人が思い出したのは、洗面台の下の収納についての相談でした。高橋さんは「物が取り出しづらいと言っていた」と覚えています。ただ、収納だけを交換したいという話だったかは、はっきりしません。

ここを記憶だけで埋めると、「収納を交換したい人」が相手だと決めてしまいます。お客様は、今の不便をどうすればよいか聞きたかったのかもしれません。相談の段階では、工事の方法まで決まっていないこともあります。

覚えていることと、記録にあることを分ける

高橋さんが電話メモを開き、小野さんと森川店長が確認できた内容を整理する

3人が電話メモを確認すると、「奥の物が取り出しづらい」「使いやすくできるか相談したい」と残っていました。一方で、収納だけの交換を希望しているかは、記載がありません。

この違いは、そのまま残しておきます。分からない部分まできれいな話に仕上げる必要はありません。

自社でも一件選び、次の3点を書いてみてください。

  • 状況: どこを、どのように使っているときの話か。
  • 困りごと: 何がしづらい、何に迷うなど、本人が伝えた不便や疑問。
  • 相談内容: お店に何を聞きたかったか、何を頼みたかったか。

今回の架空例なら、こんなメモになります。

状況:洗面台の下の収納を使っている。
困りごと:奥の物が取り出しづらい。
相談内容:今より使いやすくできるか相談したい。
まだ分からないこと:希望する工事方法。収納だけを変えたいのかも未確認。

年代や家族構成が分からなくても、このメモは作れます。「洗面台の下から物を取り出すたびに不便を感じている人」と分かれば、その人が読みたい案内を考える手がかりになります。

実際の言葉が残っていないときは、担当者の要約だと分かるように書きます。思い出せない気持ちや発言を足したり、話し言葉を想像して引用したりしないでください。確認できる記録がなければ、次に相談を受けたときに、この3点を残すところからで十分です。

一件のメモから、次に伝えることを選ぶ

このメモがあると、投稿の話題を「水まわりのリフォーム」から、「洗面台の収納が使いづらいときの相談」まで絞れます。何について書くかだけでなく、どんな場面で困っている人に読んでほしいかも見えてきます。

ただ、一件の相談から「うちのお客様はみんな同じ悩みだ」とは決められません。今回は、次に案内する候補を一つ見つけた段階です。その相談を今も受けられるか、お店の担当者と確かめてから文章にします。

相談メモを仕上げた小野さんが、お店の紹介文と見比べようとしている

まず手元に残したいのは、投稿の完成原稿ではなく、相談一件の短いメモです。名前や住所を写す必要はありません。記録そのものをSNSに載せず、公開する文章ではお客様が特定される情報を取り除きます。

メモができたら、今のお店の紹介文と並べてみてください。同じ不便を感じている人が読んだときに、「ここへ相談してもいい」と分かるでしょうか。

次の第2話では、「水まわりリフォーム対応」という紹介文に、困りごとを一つ添えます。工事の方法を約束しすぎず、相談できる内容を伝える一文にしていきます。

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