紹介を増やしたいとき、何を伝えれば紹介しやすい?
「よかったら誰か紹介してください」と頼まれても、相手は何と説明すればよいか迷うかもしれません。紹介する人は、こちらの仕事を毎日見ているわけではないからです。私たちは、紹介をお願いする前に「どんな人の、どんな相談に応えられるか」を短く伝えることが大切だと考えています。紹介の件数を約束する方法ではありません。相手が無理なく説明できる状態をつくるための整理です。
「誰でも」より、相談の場面を一つ伝える
「お困りのことがあれば何でも」では、紹介する相手が思い浮かびません。たとえば住宅設備の事業者なら、「洗面台の交換を考えているが、何から決めればよいかわからない方の相談を受けています」と言えます。これは架空の例です。実際には、自社で対応できる仕事だけを言葉にしてください。
まず、最近受けた相談の中から、無理なく対応できた種類を一つ選びます。次に、その相談が始まるときの言葉を思い出します。「古くなった」「使いにくい」「見積もりだけ先に知りたい」など、お客様が使う表現のほうが専門的な工事名より伝わる場合があります。
ただし、過去のお客様の事情をそのまま話す必要はありません。人や住所がわかる細部を外し、「こういう相談に対応している」という一般的な説明にします。まだ受けたことがない仕事を、紹介を増やすために対応実績のように見せないことも大切です。
一文が決まったら、社内の別の人に聞いてもらいます。「その説明を聞いて、誰を思い浮かべますか」と尋ね、想定した相談と違えば言葉を直します。事業者にしか通じない名称を、紹介される人が普段使う言葉へ置き換えるためです。何を頼めるかわからない一文なら、事業紹介としては整っていても、紹介の場では使いにくいままです。
紹介された人が、次に何をすればよいかを示す
紹介する人が説明しやすくても、紹介された人が連絡方法を探せなければ相談は始まりません。ホームページの該当ページや問い合わせ先を一つ示し、最初の相談で何を伝えればよいかを書いておきます。
たとえば「洗面台の状況と、お住まいの市区町村をお知らせください。まだ製品が決まっていなくても相談できます」という案内です。これも説明用の例で、実際の受付条件に合わせて直してください。対応できる地域や、現地確認が必要になる条件があるなら、先にわかる形にします。料金や納期を、その場で確約できないのに約束する必要はありません。
紹介用の案内を作るときは、店名だけを記したカードより、相談できる内容と連絡先が同じ場所にあるかを確認します。紙でも、ホームページへのリンクでも構いません。渡しやすさは、相手が普段使う方法に合わせます。
ホームページへ案内するなら、トップページに着いた後で目的の仕事を探させないことも確認します。紹介したいサービスの説明、対応地域、問い合わせ先まで、初めて見る人がたどれるでしょうか。実際に知人へリンクを送るつもりで、スマートフォンから開いてみます。案内した内容とページの説明が違う場合は、紹介文を増やすより先にページを直します。
お客様に紹介を「頼む」場面を急がない
作業が終わった直後に毎回紹介を求めると、相手には負担になることがあります。紹介してもよいと思ってもらえたときに、説明に使える情報を渡せるようにしておく。その順番のほうが自然です。
たとえば、お客様が「知人も同じことで困っている」と話した場合に、「よければ、この案内をお渡しください」と伝える方法があります。相手の知人の連絡先を、その人の了解なく集めようとはしません。紹介された方が自分で連絡できる入口を用意します。紹介者への謝礼や特典を設ける場合は、事前に条件と自社の運用を別途確認してください。
取引先からの紹介でも同じです。紹介先を広げたいからといって、対応できない地域や仕事まで受けられるように伝えると、相手を困らせます。「この相談なら受けられる」「ここから先は別の専門家が必要」と境界をはっきりさせます。
こちらから「誰かいませんか」と繰り返す前に、自社の説明が変わったときに案内を更新できるかを考えます。担当者、受付先、対応内容が古いままなら、紹介者が丁寧に伝えても行き違いが起こります。渡した案内の版が一人歩きしないよう、連絡先や仕事内容を変えた際に見直す場所を決めておくと運用しやすくなります。
一件の紹介から、説明の足りないところを直す
紹介があったら、件数だけを数えるより、紹介された人が何を聞いて来たかを確かめます。「料金が確定していると思っていた」「この地域も対応すると聞いた」などの行き違いがあれば、案内文を直す材料になります。誰が紹介したかを記録する場合は、必要な範囲で扱い、社内の取り扱いに従ってください。
振り返るときは、「紹介があった」「相談を受けた」「実際に依頼になった」を混ぜないようにします。相談が始まっただけでも、紹介者に伝わる説明だったかを確かめる手掛かりになります。一方で、依頼に至らなかった理由が価格なのか、対応地域なのか、単に時期が合わなかったのかは、わかる範囲だけ記録します。少ない件数から紹介文の効果を決めつける必要はありません。
最初から立派な紹介制度を作る必要はありません。今日できるのは、自社が受けられる相談を一つ選び、「どんな人の、どんな困りごとに、どこから相談できるか」を一文にすることです。既存客からの再依頼や新規の相談との違いを整理したい場合は、お客様を増やす入口を分けて考える記事も参考になります。私たちと自社の案内を整理したい場合は、Polyzmへの相談窓口から現状をお知らせください。